【なぜ大手が中小のシニアをハンティング?】シニア人材“引き抜き”の裏にある静かな退職


目次

1 大手で覚醒するシニア人材という現実
2 シニア人材がIT未経験の“副社長”
3 もともとは“過去の人”だった
4「中小企業が育てた総合人材」という資産

大手で覚醒するシニア人材という現実

「え? あの人、大手に行ったの!?」「まさか…うちでは“いらない人”だったのに…」
そんな声が、いま静かに増えています。

株式会社プロ人材機構の髙橋です。
私は、経営層専門のヘッドハンターとして、日々3,000名を超えるシニア人材と向き合っています。

そこで見えてくるのが
中小企業で“燻っていた”シニア人材が、大手企業で「エース」として覚醒するという事実。
中小の立場に立てば不思議。シニアの立場たてば希望。大手に立てば大助かり。

「なぜ中小から大手へ?」——その背景にある“中小のすごさ”

中小企業でくすぶっていた人が、大手で引き抜かれ、活躍している。
その流れに首をかしげる方もいるかもしれません。
けれど実はそこには、中小企業ならではの人材育成力が隠れているのです。

人材育成っていうと今までは大手の役目。
沢山のことを記憶してもらい、沢山の勉強をさせる。
あら、これからのAI時代で不安視されている部分とも一致。
既に若手のホワイトカラーの就職は厳しくなっている。

シニア人材がIT未経験の“副社長”

たとえば、あるAI系スタートアップ。
社員はわずか50名。その企業が副社長に据えたのは、
シニアの非エンジニアでした。

ITの知識はゼロ。
けれど彼には、大手電機メーカーや外資系企業で培った
「ビジョンを言語化する力」と「組織をまとめる胆力」があった。

結果――
そのスタートアップは、大手クライアントとの数億円規模の契約を受注。
技術ではなく、“経験のOS”が価値を生んだ瞬間でした。

もともとは“過去の人”だった

驚くべきことに、この副社長、もともとは地方の中小メーカーで「過去の人」と見なされていました。
しかし大手が注目したのは、彼の「実戦経験」と、「現場・経営・人材育成」を横断してきた総合力
中小企業が育ててきたのは、“エリート”ではなく、“オールラウンダー”
それこそが、今、大手企業が渇望する人材なのです。

「中小企業が育てた総合人材」という資産

ある大手企業の役員が、私にこう打ち明けてくれました。
「即戦力が欲しい。でも、うちで“育てる”のは難しい。だから中小出身者がありがたいんです」

中小企業では、営業も経理も人事も現場も、すべてに関わらざるを得ない。
だからこそ育つのが、「部分最適」ではなく「全体最適」を体得した人材

これは、若手にはなかなか身につかない能力。
つまり、中小企業には知らず知らずのうちに、
人材というビッグデータ”が蓄積されているのです。
そのシニアが流出してしまうのは、なぜか?

理由はシンプルです。
それは、「疎外感」
就業規則を整えただけで「シニア活用はできている」と思い込む
若手現場は「元部長が部下?やりづらい」と距離を置く
本人も「どうせ責任ないなら、ラクでいいや」と諦める

三者三様に“正しい行動”をとったはずなのに、気づけば、組織は静かに壊れていく。
でも、それは「能力がないから」ではなく、「出番がなかっただけ」なんです。
シニアにはシニアの、若手には若手のコミュニケーションがあります。
どちらも企業を支えている仲間。

若手に合わせるのではなく、シニアに合わせるのではない。
皆が楽しく、成果を上げるためにはどうすれば良いか。
経営手腕にかかっています。

でも、こうも捉えられます。
「それだけ中小企業がすごい人材を育ててきた」という、何よりの証明だと。
それは凄いです。
でも残念。

それなら、できることがある
もっとワクワクする未来も、ちゃんとあります。
それは――
「流出する前に、社内で活かし切る」という選択です。
彼らの経験や知恵を、社内の未来づくりに配置できたとき。
その企業は、他社にはない“深み”を手に入れるはずです。
「年齢」ではなく「機能」で見る
「採用」ではなく、「再配置」で活かす

その人材、外に出てから価値がバレる前に。
社内で、もう一度「再発見」してみませんか?


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