シニア世代からの活躍
―――――現在の活動状況
4年前に、NCU合同会社を起業して、CEOをしています。主に、営業支援と企業のビジネスマッチングを軸とした会社です。また、『経営者育成会』という団体の代表もしています。Facebookを中心に自分でスカウト活動を行っていて、今1500人ほどの経営者の方と繋がりを作りました。これまでに、週1回の頻度で127回の対談番組の配信をしているほか、経営者同士が実際に繋がりを作るような場を設けています。
―――――営業のキャリアについて
それが、営業としてはそれほどの実績はないと思っています。確かに社会人のスタートは、リコーのコピー機の営業からスタートしました。でも4年位で、仕事で出会ったお客様から声をかけて頂いて、携帯電話の会社を一緒に立ちあげました。携帯電話が勢いのある時代で、役職のある仕事で営業ではありませんでした。その後、36歳の時に、一度インターネット関係で起業をしています。その後、知り合いから声をかけられて保険の営業もしましたが。未知すぎる世界で苦戦続きでした。保険の知識のなさ、営業としての姿勢もどれも中途半端で、、、。自分の未熟さを感じた日々で。自分にできることは何かを必死で考えて、最終的に、電話営業に注力したんです。年間4000件、もう必死で電話していました。最初は全く相手にしてもらえなかったんですが、徐々に100件中2,3件、社長にアポができるようになってきたんです。コツコツ営業電話をして、会えば話を聞いてもらえますし、やっと営業で手ごたえを得ることができるようになったくらいですね。でも、その電話営業で気が付いたことは、世の中に経営者がたくさんいるという気付きですね。私自身、すごい営業マンじゃないけれど、リコーの法人営業時代に叩き込まれた経験と持ち前のコツコツ取り組む力で今がある気がします。

―――――2度の起業
はい、携帯電話の会社に勤めたあとの36歳が最初の起業です。当時は、ソフトバンクの孫さんがインターネット革命児と言われていた頃で、楽天の三木谷さんが時代の寵児になっていた時代だったんです。私自身もインターネットをやっていて、中でもチャットルームで見知らぬ人と出会う楽しさを感じていたんです。だから、インターネット上にオフィスビルとデパート・ショッピングモールを作って、多くの会社を支援したいと思いついたら、やるしかない!と思ってしまって。次の日には辞表を出していました。ですが、自分自身の勢いはあるものの、全国各地へ営業に行ったものの苦戦続きで。資金が底をついてしまい1年余りでインターネットビジネスは撤退しました。その後は営業代行業で少し繋いでいました。やりたいことを諦めるってこういうことなんだなって感じた経験でしたね。2度目のとなる起業は、コロナがきっかけでした。世の中の動きが止まって、自分の人生を考えるようになったんです。あと何年全力疾走できるのかと考えている中で、65歳まではがむしゃらに走ろうと思いました。58歳の時に今の会社を立ち上げた感じです。コロナを契機に、改めて営業支援のニーズの高まりを受けて再び自分自身で走り出すことができました。コロナをきっかけにインターネットの価値が社会で高まり、今再びインターネットを活用して仕事ができていることで、最初の起業の時に抱いていた夢がかなったように感じています。
今やらなければならない
―――――生み出される行動力
いずれの起業も、実は自分の時間をどう使うかを考えての行動なんです。実は最初の起業の2年前、小学1年の息子が交通事故で他界しました。息子が亡くなる1年ほど前に、幼稚園のバザーがあって、息子と一緒に行っていたんですが、そこに突然仕事の呼び出しが入って、私は夕方まで仕事をしたんです。バザーの食事チケットを私がうっかり仕事に持って出てしまっていて、息子が泣いてしまったことを後で妻から聞かされました。仕事を頑張ることが家族のためと思っていたけど悲しませた後悔がありました。そして。息子がいなくなってから少しして、バザーのチケットを目にしたんです。やらなければならないことは今やらなければならないと思った出来事でした。36歳の起業は、そういったいろんな思いをもっての起業でした。ところがうまくいかなかったんですね。そして、57歳の時に、私も含めてコロナで世界中が変わりました。2度目の起業は、オンラインが一気に身近なものになった今こそ、営業のコンサルとマッチングで勝負したいと思うようになったんです。もともとの法人営業の経験がある時分だからこそ経営者を相手にするビジネスが一番腹落ちしたんです。

これからやりたいこと
―――――経営者を繋ぐコミュニティ
今やっている経営者育成研究会のメンバーは、毎日SNSで知らない経営者にコツコツとアタックして作り上げたものです。AIを使いながら、地道にコツコツ続けています。私は、人繋ぎのプロだと思っています。紆余曲折して経験したことで、営業は得意だと昔は思っていませんでしたが、気づいたらそうなっていました。というのも、今だからこそ営業の原点って人繋ぎだとわかるからなんです。自分を売ることも大切だけど、自分の周りにいる人とつなげていくことが営業の価値、広がりだと思っている。これからも人繋のプロとして、経営者の協業支援、経営者育成、新規事業創出を実現していきたいです。日本を元気にするために。
編集後記
早くからインターネットの奥深さを知り、現在もAIを駆使して業務を進めている芳永さん。そもそものITに対する感度の高さもありますが、ご自身の変化、社会の変化に真摯に向き合い、その気づきをもとに躊躇なく行動する姿勢が、新しいものを取りれる柔軟性に繋がっているように感じました。