目次
- 孤独な創業期、経営者が求める“誰か”とは?
- No.2に必要なのは、空気を“読む人”ではなく“つくる人”
- 成功企業に共通する、もう一人の創業者の存在
- No.2をどう選ぶか ━━ 対談予告
孤独な創業期、経営者が求める“誰か”とは?
最近、スタートアップの社長からの相談が増えています。
「次に、誰を採用すべきか」
まだ社員がゼロ、もしくは数名という立ち上げフェーズ。孤独と向き合いながら、自ら営業に出て、サービスをつくり、資金を集め、未来を描く。そんな日々を走り抜ける若き経営者たちが、ふと立ち止まり、こう問いかけてくるのです。
「このままでいいんだろうか?」
「誰かに、一緒に進んでほしい」
そんな心の声を、私は何度も聞いてきました。

No.2に必要なのは、空気を“読む人”ではなく“つくる人”
前職は営業、エンジニア、コンサルタント——背景はさまざまでも、共通しているのは、
“どうにかして前に進みたい”という真摯な想い。
でもその一方で、“この先ひとりでは持ちこたえられないかもしれない”という静かな不安も抱えているのです。
そんな時、私はこう伝えています。
「最初に採用すべき人は、“空気を読む人”ではなく、“空気をつくる人”です」と。
スタートアップは、ゼロから始まります。
ルールも、仕組みも、常識もありません。
だからこそ、そこに「意味」を生み出せる人が必要なのです。
場を温め、関わる人に火を灯し、未完成な今を共につくってくれる人。
私はこれまで、多くのスタートアップの挑戦と失敗を見てきました。
営業を増やせば売上が上がる——そんな“人海戦術”に希望を託す方もいました。
しかし、組織が大きくなるほど、情熱は“平均化”されてしまう。
創業者の声が、会社の中でだんだんと聞こえづらくなる。
気づけば、組織のあちこちに小さな亀裂が入っている。
そんな光景を、私は何度も目の当たりにしてきました。
だからこそ、採用とは「社長が楽になるため」の手段ではなく、
「未来の組織をどうつくるか」という意思決定であってほしいのです。
特に、No.2の採用においては、その視点がいっそう重要です。
社長は常にトップ営業であるべきだと、私は思っています。
もちろん、営業力のあるNo.2は、経営者の負担を減らす意味でも非常にありがたい存在です。
しかし、本当に期待すべきは“営業”という機能だけではないのかもしれません。

成功企業に共通する、もう一人の創業者の存在
それでは、No.2にふさわしい人とは、どんな人でしょうか。
・過去の失敗を糧にできる人
・前向きな空気を、自らの手でつくれる人
・社長とともに“遠くの未来”を見据えられる人
最近では、若手社長とシニア人材のペアが増えてきました。
反対に、シニア社長が若手と組むケースもあります。
でも、大切なのは年齢ではありません。
むしろ、経営者が「誰よりも自分を信じ、伴走してくれる存在」と出会えたとき、その一歩が、かけがえのない未来を切り拓く——そう、私は信じています。
抽象的な要素もありますが、No.2に求められる資質として、次のような点を大切にしてほしいと思います。
・これまで築いてきた人脈やネットワーク
・目には見えない“信頼”という資産
・そして何より、経営者を支えたいと願う“志”
それは単なる参謀ではなく、共に汗をかき、孤独を分かち合う“もう一人の創業者”のような存在。“右腕”というより、“共同創業者”と呼ぶ方が、しっくりくるかもしれません。
No.2をどう選ぶか ━━ 対談予告
私はこの20年間で、延べ3万人以上の経営者とお会いしてきました。
今も成長し続けている企業には、やはり、素晴らしい“もう一人の創業者”がいる。その確信は、揺るぎません。
来月、ある弁護士の先生と、このテーマで対談を予定しています。
法律の視点、経営の視点、それぞれの立場から、「No.2の選び方」について語り合います。
記事として公開予定ですので、ぜひご期待ください。